東京のオペラの森:エフゲニー・オネーギン
チャイコフスキー2連荘の二日目はオペラ「エフゲニー・オネーギン」。
場所はオーケストラ公演と同じく東京文化会館。
3時間の長丁場ながら、15:00開演だと遅くならないので大分楽。
演出はファルク・リヒター、オケは東京のオペラの森管弦楽団、指揮はもちろん小澤征爾。
情感豊かで流麗な演奏は、昨日と同じオケとは思えない素晴らしさで、やっぱり小澤さんは違うと痛感。f(^^;
第1幕第1場は、ロシアの地方のうら若いお嬢様、タチアーナの夢見がちな恋愛観と、「習慣は幸せの代わりになる」ってロシア女の心意気というか地に足着いた価値観の対比。流石寒いトコ住んでるだけあって人生観シビアだなぁ・・・とか思ってると、妹のオリガの彼氏レンスキーが連れてきた放浪の伊達男エフゲニー登場。オリガがやたら恰幅良くてとても妹に見えない・・・てのは置いといて。(^^;
シャイでろくにしゃべれなかったタチアーナ、第2場では乙女の妄想驀進して恋心が募り、遂にエフゲニーに赤裸々な恋文を。床に仰向けに寝て朗々と歌い上げるのは流石。
第3場では恋文受け取ったエフゲニーがタチアーナをやんわり拒絶、もうちょっと想いを隠した方が・・・とか説教までしてタチアーナ玉砕。(^^;
続く第2幕では、まず第1場の宴席で、タチアーナとの仲を勘ぐられて天の邪鬼なエフゲニーがオリガに言い寄り、割とルーズなオリガもいい感じで応えちゃうのでレンスキー激怒。第2場の決闘へと続き、哀れレンスキーは冷たい骸に・・・泣き崩れるぐらいなら撃つなよエフゲニー、とか思ったけど。(-_-;
そして時が流れて第3幕第1場、放浪の旅から戻ったエフゲニーの前に現れたのは、公爵夫人となったタチアーナ。きらびやかな社交界の華として輝く彼女に心を奪われたエフゲニー、昔手ひどくフったことを都合良く忘れて言い寄ることしきり。そして第2場、首尾よくタチアーナを呼び出したエフゲニーはしつこく彼女を口説くものの、甦る恋心を意思の力で押さえつけて貞節を守り抜くタチアーナ。エフゲニーは雪の中に独り残され・・・
と、物語はいちいちハタ迷惑なエフゲニーの哀れな末路へ一直線。
なんか久々に凄くわかりやすいオペラというか、ストーリーや心情の動きに得心いった感じ。これがイタリアオペラだったりすると、最後にヒロインが欲望に負けて恋心に流されちゃったりするんだろうけど。その辺、やっぱりロシアの文化なんだろうなぁ、とか。
演出は最近流行なのかモノトーンな雰囲気で、背景にせつせつとふりしきる雪が印象的。でも昨年のタンホイザー(演出はロバート・カーセン)の光と影の鋭角的な演出の方が強烈に印象深かったけれども。
歌い手の方々はまぁまぁって感じ。グレーミン公爵が凄く二枚目なのが印象的。他は正直、あまりインプレッションなかったカモ・・・
次のコンサートは5/18の宮本文昭さん指揮の日本フィル。
GWはラ・フォル・ジュルネもあるけど、今年はどうするかなぁ・・・特に聴きたい目玉がなかったんだよなぁ・・・(-_-;
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